202211月、ウエルシアグループによる、ゆず収穫ボランティアが行われました。高知県北川村の香り高いゆずを全国に広め、村を発展させることを目的として2018年から始まり、ついに2021年、当社と高知県北川村で包括連携協定が締結されました。農業や産業の振興、健康支援、災害対策など7つの項目で、ウエルシアは北川村の創生支援をしています。

今回は、そんな創生の中核を担うゆずについて、収穫の様子をご紹介します。

▲今回収穫に向かったゆず農園

収穫はトゲとの戦い

ゆず収穫の工程で一番注意を払うのが、無数の鋭いトゲです。非常に危険なため肘までの分厚い手袋をはめて収穫に臨みます。木に実るゆずを見つけることは意外に難しく、下に潜り込み、まさしく「いばらの道」をかいくぐって探します。自分もゆずも傷つかないように収穫することは、想像以上に労力のかかる作業でした。ちなみにゆず自身も栽培中トゲに刺さるようです。修復される過程で、ゆずの表面がでこぼこになります。

▲ゆずには鋭いトゲがあるため、まずは、肘まである防刃手袋を装着。想定外の重装備に驚きます
▲収穫ビフォーアフター。すべてのゆずを収穫しました。計400kg!澄んだ空気の中で、都会では得られない達成感を感じます

皮を剥かずに「まるごと」絞る

収穫したゆずは、搾り機を使ってゆず果汁にします。果皮や種子から出る油がゆず特有の良い香りを出すため、まるごとつぶしていきます。出来上がった果汁を「柚子酢(ゆのす)」と呼び、高知の家庭には必ず常備されています。焼き魚にかけたり、醬油に混ぜたり、お酒に入れたり、さまざまな使い方をします。

▲木製の搾り機。すべてのゆずを手作業でつぶしていきます
▲完成した柚子酢(ゆのす)。ゆずの香りで癒されます

ゆず農家の難しさ

実際に収穫をしてみて、その多くが忍耐のいる危険な手作業でした。「栽培を始めても3年で辞めてしまう人も多い」というのもうなずけます。人手不足のため、獲りきれないまま時期を終えてしまう年もあるのだそう。実は、北川村では若者の村外転出だけでなく、高齢者の転出も問題となっています。必要な介護施設や病院がなく、村での生活が続けられないためです。医療や生活インフラの問題が、ゆず産業をさらに困難にさせていました。

▲今回のゆず収穫の責任者、土居さん。4年連続参加のベテラン
▲カメラを向けるとふざける土居さん。ゆずを「根っこから切るぞ」と脅す茶目っ気たっぷりな性格

包括連携協定の可能性

国内外で年々需要が高まっているゆず。北川村はその需要に追い付かないどころか、村の存続さえ危ぶまれています。生活インフラを整え、村の方々が住みやすい環境をつくっていくこと。そこから生まれるゆず産業を大きく全国へ広めていくこと。北川村が直面するこの2つの課題に、同時に貢献できるのはウエルシアしかないと強く感じました。この包括連携協定は、世界にも通用する大切な日本文化を残すことに繋がります。ウエルシアにはたくさんの方を巻き込むパワーがあります。ぜひみなさんも北川村のゆずに触れてみてください。一緒に日本の大切な産業を守っていきませんか?

▲うえたんも、SNSを使って北川村ゆずのPRを頑張ってくれています
▲総勢22名、400kgのゆずを収穫。また来年もよろしくお願いします!